2013年にレオナルド・ディカプリオの主演で映画化されたフィッツジェラルドの『THE GREAT GATSBY』。
映画と本ではどっちがいいかといわれたら、・・・迷いますね、どっちもいいだけに。
でも決めました。
映画をおすすめします。
ここでは映画と本それぞれについて、いいところとそうでないところをご紹介します。
もちろん個人的な感想なのでほどほどで聞いてもらえればけっこうです。
あと、ネタバレはないはずなので、これから読む(観る)という人でも大丈夫ですよ!
映画『華麗なるギャツビー』いいところとイマイチなところ
まず、映画『華麗なるギャツビー』のいいところとイマイチと感じられたところを紹介します。
いいところ |
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イマイチなところ |
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映画『華麗なるギャツビー』のいいところ
少しくわしくお伝えします。最初によかったところから。
ストーリーが分かりやすい
分かりやすさでは圧倒的に映画のほうが上です。
要所要所でニックの心の声?によるナレーターが入るので、流れが速いながらもついていくことができます。
ギャツビーの回想のシーンも状況が分かりやすかった。
キャストがわりかし合っている
完全に個人的な感想ですが、キャストはわりと合っていたんじゃないかと思います。
ニック、トム、デイジー、ベイカー、マートル・・・
唯一、ギャツビーだけがちょっと違ったかな・・・主人公なんだけど。
ジョーダン・ベイカーなんかはイメージどおり!個人的にはデイジーより好きですね。
場の雰囲気がよく伝わる
あとこれですね。
でも映画ならそんなことはありません。
序盤のアパートでの乱痴気騒ぎのシーンや、ウルフシェイムと会う場所、それから後半で○○が取り乱して怒るところとか、映画のほうが状況が分かりやすい。
映画『華麗なるギャツビー』のイマイチなところ
次にイマイチかなと感じたところです。
端折られているところがある
映画だけ観ていると分かりませんが、本を読んだあとだと(もしくはあとで読んでみると)、けっこう省略されているところがあることに気づきます。
たとえばニックの生まれ、生い立ちについてとか。
あと、ニックとジョーダンの関係ももう少し触れてもよかったんじゃないのかなとか感じます。
探せばたくさんあって、映画のあとに本を読むとそんな発見があって楽しめます。
展開が速い
これは他の映画でもあることでしょうが、展開が速いのでときどき「あれ、ちょ、ちょっと待って・・・」となるときがあります。
「その瞬間」の描き方
ネタバレを避けるためあえてぼかして書きますが、さいごの「その瞬間」についてです。
実は本ではそこは描写されていません。直後の様子だけわずかに描かれていて、それがかえって読む人の心にインパクトを与えています。
でも映画は、映像であるだけに「その瞬間」も映されます。
・・・と思いつつ、
ここの描き方については、わたしは本のほうが好きですね。
映画『華麗なるギャツビー』を無料で観る方法
ちなみに『華麗なるギャツビー』は今なら「U-NEXT」で無料で観ることができます。
31日間無料体験があるのでその間はタダで観ることができるのです。
わたしもこの無料体験期間中にいくつかの映画を観させていただきました。「マトリックス」とか・・・
また、600ポイントももらえるのでそのポイントを使えば本を読むこともできます。
【追記】ただし、無料にしておくなら以下の2点はくれぐれもご注意ください。
- 必ず31日未満で解約する
- 支払いをクレジットカードで登録しておく
わたしはうっかり31日を過ぎてしまい、しかもiPhoneを通しての支払いになっていたらしく、2,400円もの請求が来てしまいました。高!!
よく分からないのですが、アプリで登録するとこのようなことが起こりうるようです。
いずれにしても登録した日だけはしっかりと覚えておきましょう。
本『グレート・ギャツビー』いいところとイマイチなところ
では次に原作『グレート・ギャツビー』についてです。
いいところ |
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イマイチなところ |
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「表現が美しい」と「表現が分かりにくい」ってどういうこと?と思われそうなので説明します。
原作『グレート・ギャツビー』イマイチなところ
ここでは先にイマイチなところからお伝えします。
表現が分かりにくい
この時代の本を訳したものにしては分かりやすいほうだとは思いますが、やっぱり分かりにくいところもあるんですよね。
言葉がえんえんと続いて何を言っているのか分からなくなるところがあります。
たとえばこれとか(ネタバレにはならないハズ)。
しかしぼくは、あたりにただようある不快なもの、いままではなかったあるとげとげしいものが、びまんしているのを感じた。それとも、いつしかここの雰囲気に馴れたぼくが、ウェスト・エッグというものを、独自の価値基準を持ち独自の大物を有し、自らの特異性を意識しないだけに自らを最高と心得ていて、そこだけで完結している一個の世界と認めるようになってしまっていたのを、このときまた、デイズィの眼を通してこの世界をみなおしていたというにすぎなかったのかもしれぬ。
~『グレート・ギャツビー』より引用
・・・どうでしょうか?なんだか分かりにくくないですか?
前半はともかく後半がよく意味が分かりません。
特に『独自の価値基準を~』から始まるところが何度読んでみても分からない。
でも映画なら大丈夫!こんなややこしい描写はありませんから。
訳がイマイチ?
こんなことを言うと怒られそうです。訳者の野崎孝さんという人は相当有名な人だそうです。
なので怒られない程度に1つだけ書いちゃいます。
映画の中で○○が○○に、
「あなたはとてもCOOLね」
と言うシーンがあります。
これが本ではこう訳されています。
「あなた、とっても涼しそうだ」
この訳がヘンだというのは映画を観たあとにもう一度本を読み返したときに気づきました。
わりと大事なセリフだけに意味が通じません。
とはいえ、みんなそんなことは分かってて読んでいるんでしょうから、わざわざここでほじくりかえすことではないですね。失礼しました。
言葉が古い
といいつつ、またほじくってしまってスミマセン。
言葉が古いです。
「おべべ」って分かる人いますか?たぶん少ないですよね?「おべべ」なんて50代のわたしでも使ったことありません。
あと女性の言葉も気になります。
「~なっちまう」「~しちまう」
「~なってしまう」「~してしまう」とそのままでよかったと思うんですが。
全般的に昔の本は「~ちまう」と訳されているものが多いですから時代的にしょうがないのかもしれません。
本『グレート・ギャツビー』いいところ
では次にいいところです。実はこちらをより伝えたい。
表現がうつくしい、魅力的
訳がいいのか原作がいいのかあるいはその両方か、ときどきハッとするような魅力的な文章があります。
これまたネタバレにならない範囲でいくつか紹介します(以下、すべて『グレート・ギャツビー』より引用)。
ぼくたちは五番街まで車を走らせたが、夏の日曜の午後で、暖かく、柔らかく、牧歌的ともいえるくらいだった。街角を曲がって、白い羊の大群が現れても、ぼくは驚かなかったかもしれない。
そう言って彼は、やっきとなってあたりを見まわした。彼の家が影を落としているこの庭の、どこか手を伸ばせばすぐ届くところに、過去が潜んでいるかのように。
ぼくたちはいまや、さめていくビールの酔いにみんないらだっていた。
ぼくは30だった。前途には、新しい10年の無気味な歳月がおびやかすようにのびていた。
こうしてぼくたちは、涼しくなりかけた暮色の中を、死に向かって疾走していったのだ。
これらの表現がなんだかやけに心に残るんですよね。特に最後のとか鳥肌がたちます。一度聞いたら忘れられませんよね。こんな文章が書けるってすごい。
こういう表現に触れられるのが本の魅力です。魅力的な表現が随所に散りばめられているのでぜひ読んでみてください。
自分なりの映像を楽しめる
基本的には映画を先に観た方が分かりやすいのでその方法を勧めますが、でもそうするとどうしてもイメージが固定されてしまいますよね。
ギャツビー、ニック、デイジー、トム、ジョーダン・・・すべて映画そのままの人物になってしまいます。
これが最初から映画を観ていたらあとで原作を読んだところでイメージを変えることは難しいでしょう。
まずは自分なりのイメージを持ちたいという人は本から読むことをおすすめします。
『華麗なるギャツビー』まずは映画からどうぞ
たぶん本好きな人は誰に何と言われようと本から読むと思うのでそんな人はどうぞ本からお読みください。本もすばらしいです。
読むたびに新しい発見がありそうで、村上春樹さんが愛読しているというのもうなずける気がします。
でも本は苦手、読むのが面倒という人はぜひ映画を観てみてください。
そのあとにがんばって本を読んでみてください。
きっと二重に楽しめますよ!
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