- 今やっている仕事は自分にあまり向いてない
- 昔からファッションが好きだから洋服に関する仕事をしてみたい
- でも20代後半で未経験の自分にできるだろうか?
今の仕事に熱意が持てない、それよりも昔から好きだったファッションに関する仕事がしたい、そんなふうに考えているあなたへ。
最初に言ってしまうと、はたで見ているよりもアパレルの仕事は大変です。華やかな印象がつきものですが、見えないところでたくさんの苦労があります。
ここでは、だからアパレルの仕事はやめましょうということではなく、アパレルの販売員を目指すなら少なくとも知っておいてほしいことを紹介しています。
外からは分からないアパレル販売員の現実を伝えますので、これらを理解した上で、それでもやっぱり目指したいということであれば、自信をもって前に進んでください。
アパレルの販売職にノルマはあるのか?
アパレルの販売の仕事を目指すにあたって多くの人が心配するのはこの点でしょう。ノルマがあるかどうか。
基本的にはあると考えてください。
なぜならノルマは店の売上を保つために必要なものだからです。
当然売れるときもあれば売れないときもあります。結果がダイレクトに分かるのがこの仕事の大きな特徴ですね。
個人予算がない会社もある
なかには店全体の予算(ノルマ)が決まっているだけで個人まで落とし込まれてはいない会社もあります。
ただ、これを聞いて、個人のノルマがないなんていいな~、と安易に考えないほうがいいでしょう。
個人のノルマがなくても誰がどれだけ売っているかということは分かります。あまりにも販売成績が悪いと居心地が悪くなるという点においてはどちらも同じだといえますね。
販売職は未経験でもできるの?
今まで違う仕事をしてきた人にとって、アパレルの販売は未経験でもできるのかどうかはとても気になるところですね。
結論からいうと未経験でもできます。
これはわたしの考えですが、未経験の状態からでも始めやすい仕事のひとつが販売ではないでしょうか。
学歴にしたって何か販売やその分野に関する特別な勉強をしてきたという人は少数派でしょう。
看護師や介護職、あるいはIT関係などの仕事と違い、真っさらの状態からいきなり現場に飛び込んで学んでいくのが販売の仕事なのです。
だから未経験でも大丈夫。
アパレルの販売に資質はあるの?
アパレルの販売の仕事に必要な資質。
これはファッションが好きであることと考えてしまいがちですが違います。
アパレルの販売の仕事に必要な資質は「人と接するのが好きであること」です。
というのもアパレルの販売はファッションを研究することが仕事ではありません。着こなしや流行を考えることが仕事ではありません(仕事の一部だけどそれが目的じゃない)。
お客様に洋服を売ることが仕事なんです。
店にやってきたお客様を接客し、商品をすすめ、買っていただくこと。
つまり人と接することがメインの仕事なわけです。
だから人と接することが好きであるというのが大きな資質。これが一番です。
逆に人と接することが苦手な人にはちょっと厳しいかもしれません。少なくとも人と接することがきらいじゃない、というくらいの気持ちは必要でしょう。
販売職に転職するのに年齢は関係あるの?
20代ならまったく問題ありません。
店のテイストにもよりますが実際に店頭に立っている販売員は意外に年齢が高いことが多いですよね?20代前半は少なめ。30代がもっとも多いのではないでしょうか。
30代になって活躍するために20代後半からスタートすると考えればいいでしょう。
ちなみにわたしが初めて販売の仕事に就いたのは40代。さすがにちょっと遅かったですが、でも仕事をすることには特に支障はなかったです。
販売の仕事は売れれば何歳でもいいんです。30代でも売れればOK、売れれば重宝されます。
なのでもしあなたが20代ならぜんぜんOK!自信をもってトライしてください。
シフト、勤務形態は?
基本は土日祝日は出勤です。
理由は言うまでもありません。アパレルの販売にとっては世の中が休みの日が「稼ぎどき」だからです。土日祝日の売上が全体の約8割を占める仕事ですから。
出勤時間に関してはシフト勤務のところが多いのではないでしょうか。早番と遅番に分かれています。
忙しい時期は、早番でも時間通りあがれずに遅くなってしまうこともあります。役所ではないのでその点はある程度覚悟しておいたほうがいいでしょうね。
販売職は体力的に辛いの?
もしあなたの前職が事務職やIT関係といったデスクワークの場合、
最初は辛いです。
何といっても1日中立っているわけですから最初は足が痛くなってきます。
1日のうち座れるのは休憩の時間のみ。定時で考えても会社にいる9時間のうち8時間は立っているわけです。
かくいうわたしも前の仕事は営業でした。長時間立ち続けることがなかったため、最初は不安でしたが意外に平気でした。
ちなみにこのとき40代半ばです。われながらよくがんばった笑
なのであなたが20代30代であれば大丈夫。最初はつらくてもすぐに慣れます。
催事やセールの時期は忙しい
体力的につらいのは1日中立っていることよりも、催事やセールの時期ですね。この時期は本当に大変です。
まず準備。セールに向けて大量の商品を準備するとともに値札やポップのつけかえ作業、レジやカウンターの増設、備品の用意等、やることはたくさんあります。
このヘトヘトになった状況で催事がスタートするのですからそりゃ大変。疲れた身体にムチ打って接客することになります。
そして終わったら今度は撤去。催事が終わるのは夜ですからそこからの作業です。もうみな無言ですね。催事期間は疲労します。
アパレルの販売職の人間関係は?
人間関係に悩むことはゼロとは言い切れません。あの人が嫌だ、苦手だ、いっしょに仕事したくない等々、いろいろ不満が生まれることもあるでしょう。
同じ店を舞台に、それぞれがノルマを抱えて働くとなれば当然起こりうることです。
売上の取り合いというのも耳にすることがありますね。これはわたしの売上よ、これは俺が売ったものだ、という争いは、程度に差はあるとしても出てくる可能性があります。
いずれにしても、販売を続けていく上で人間関係は非常に大事です。
仕事自体に問題がなくても人間関係が耐えきれずにやめていくことだってあります。でもできれば人間関係に悩むことのないお店で働きたいもの。
そのためにもその店の雰囲気を事前に知っておくこと、どんな人たちが働いているかを知っておくことは大事です。
アパレルの販売に転職するならこれだけはやっておきたい1つのこと
販売職で30代、40代になったときの状況は?
20代で販売の仕事を始めたとして将来的にはどうなるのだろうか?30代40代になったときはどんな状況になっているのだろうか?ということも気になりますよね。
給与に関していえば、ふつうの販売員である限り、そんなに収入がよくなることはありません。
少しでも収入を上げるための方法としてはおもに2つのコースが考えられます。
- 店長になる(あるいは本社勤務)
- 売上成績をトップレベルにし、会社になくてはならない人材になる
2つに分けてありますが、売れない人が店長になることは少ないため、やはり売上成績を上げることは必要です。
ただ、店長になれなくても販売成績がよければ収入を上げることは可能です。わたしのいた職場でも売上のいい人が会社を辞めようとして上層部から引き止められていた例もあります。もちろん条件アップで、です。
販売職で長く働きたいのなら
収入はそんなにふえなくてもいいからとにかく長く働きたい。50代60代にになっても仕事を続けていたいというのであれば、アパレルの中でも特殊な業界を選ぶのもひとつの方法です。
たとえばオーダーの紳士服や制服の業界。
これらの業界では独特の専門的な知識が必要とされ、他分野からの応用が効かないため、この業界の人はずっと続けていることが多いです。
あと個人的におすすめは靴の販売です。靴の販売は一種の技術職であり、シューフィッター、バチェラーとどんどんスキルアップさせていくことも可能ですし、靴が売れる人は就職先には困りません。
靴業界も人出不足気味なので興味ある人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
靴の仕事のメリットとデメリット、元紳士靴の販売員がすべて伝えます
アパレルの販売のいいところって何?
アパレルの販売は給料が安いとか休みが取れないとか残業が多いとか悪いことばかりが目についてしまいますよね。
これだとアパレルの仕事はきついだけで何もいいところがないと思ってしまいがちです。
ではアパレルの販売職のいいところ、やりがいとは何でしょうか?
お客様に感謝されること
それはお客様に感謝されることです。
これがすべてといってもいいでしょう。お客様に感謝されることが唯一の原動力です。
「今日はいい買い物ができたよ」
「あなたのおかげでいいものが買えたよ」
そんなふうに感謝されると疲れも吹き飛びます。
販売って不思議な仕事です。というのも「買ってもらったのにありがとうと言われる」から。
そんなときは販売の仕事っていいなと感じることができます。
販売の仕事における一番のやりがい、それはお客様に感謝されることです。これは第一線でお客様と接する販売の仕事ならではのことでしょう。
好きな洋服を着られる
このへんは店によるかもですが、アパレルの販売職だと着る服は比較的自由です。
海外ブランドとかだとスーツでしょうね。でもそれ以外なら自分の好きな服を着られるんじゃないかと。
あと、だんだんおしゃれになる、という効果もありますね。わたしも紳士関連の販売に携わったおかげで、それ以前よりはマシなカッコができるようになりました。これは余談ですね。
アパレルの販売職を続ける秘訣は?
アパレルの販売職を続ける秘訣は単純明快です。
顧客を作ること
これさえできればあなたはアパレルの販売職を安定して続けていくことができます。
顧客とはあなたから買ってくれるお客様のこと。言い方を変えれば、あなたからしか買ってくれないお客様のことです。
そんなお客様をたくさん持てばもう販売で怖いものはありません。それどころか一目置かれる存在になれます。
が、その人は実は多くの顧客様を持っています。
「○○くんいる?」と尋ねてくることもしばしば。いないと残念そうに帰っていきます。
どのお客様にも共通して言えるのは、その人のことを心から信頼していて、その人が勧める商品はほとんどすべて買ってくれるということ。これが最大の武器です。
販売は内向的、おとなしい人でもできる?
わたしはできると考えています。
ここであらためて大事なことを考えてみましょう。
販売員にとって一番大事なことは何か?
商品を売ること、ですよね?でももっと大きな見方で考えてみましょう。
販売員にとって一番大事なこと、それはあなたのいる扱っている商品、あなたがいる店をお客様に好きになってもらうことです。好きになってもらうためにそのよさを伝えることです。
そう考えるとちょっと楽になりませんか?
だから、物おじしないで話せること、明るいことももちろん大事ではありますが、たとえ内向的でおとなしい性格でも誠実に、丁寧に商品のよさ、店のよさを伝えること。それができればアパレルの販売の仕事をすることは可能です。
アパレルの販売職、興味があるならやってみて
ここにあげた販売職の11の現実はすべてが正しいとは限りません。アパレルの店は無数にありますからそれぞれの内容があてはまらないこともあるでしょう。
でも、大きくは外れていないはず。
最初にも言いましたが、アパレルの販売職ははたで見ているより過酷です。販売員の笑顔の裏にはたくさんの苦労がかくされています。
少しでもそれが伝わるようにとわたしの知っていることを正直に書いたつもりです。
もしあなたがこれを読んで、販売職の大変さがある程度わかった上で、それでも目指したいというのであればぜひチャレンジしてみてください。
アパレルの販売職、首都圏での求人の探し方
アパレルの販売職に興味がある、できれば首都圏で仕事を探したいというのなら、【ファッショーネ】を使ってみることをおすすめします。
【ファッショーネ】はアパレル業界に特化した転職サイトです。
アパレル業界に詳しいコンサルタントがあなたの希望に合う仕事を紹介してくれます。もちろん企業との日程調整や年収交渉、面談対策もあります。
登録したあとはこのように進みます。
ステップ1
電話にてインタビュー日程調整
↓
ステップ2
渋谷ヒカリエのオフィスでヒアリング
↓
ステップ3
希望にそった求人の紹介
↓
ステップ4
面接対策
↓
ステップ5
企業との面接
↓
ステップ6
就職
「ファッショーネ」のPCサイトでは仮登録した後の流れとして次のように紹介されています。
~「ファッショーネ」公式サイトPC版より引用
STEP3に「ショップ見学」があります。あなたが気になるお店をアドバイザーの同行のもと見に行くことができるというもので、これはファッショーネの大きなメリットです。
このメリットを利用しない手はありません。
販売の仕事はあなたが見る売場がそのまま働く場所になりますから、できるかぎり見ておいたほうがいいです。
もちろん、登録したからといって必ず転職しなければいけないということはありませんので気軽に利用してみてください。
さいごに
アパレルの販売職の現実が厳しいことは分かったけどそれでもやってみたいと思うのならぜひチャレンジしてみてください。
あなたが20代であるならば、将来のことを見据えて慎重に行動することも大事ですが、それ以上に大事なのは「トライしてみること」です。
できるかできないか、向いているか向いてないか、なんてやってみないことには分かりません。机上で悩んでいても結論は出ないのです。
それならば一度やってみる、トライしてみることです。自分にもできたと感じることができればそのまま続けていけばいいし、やっぱりちょっと無理だったと分かればまた別の道を目指せばいいのです。
20代ならいくらでもやり直しがききます。まだまだ次のことを始められます。40代で営業から販売に移ったわたしにできたのだから間違いありません。
仕事が変わると、特に職種が変わると、働き方、1日の過ごし方、自分の気持ち、まわりの人たち、すべてが変わります。
そして仕事が変わると休日も変わります。結局仕事が充実していてこそ休日も心の底から楽しめるんですよね。だからどんな仕事をするかというのは本当に大事。
あなたが、洋服の販売の仕事が天職だった、と思えるくらいの成功をおさめられることを願っています。
アパレル販売に転職するときにこれだけはやっておいたほうがいい1つのこと
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