営業って自分から売りに行かないといけないから大変ですよね。
だから自分のような押しの弱い人間には向いていないんだ、そう思ってしまう人もいるでしょう。
でも販売なら・・・?
販売ならこちらから売りに行くわけじゃなし、お客様のほうから来てくれるんだから営業よりはやりやすいはず。そう考えている人もいるかもしれません。
ここでは、営業の仕事が向いてないと感じ、販売の仕事に移ろうかと悩んでいるあなたに、あえて辛口のお話をします。
あまり聞きたくないようなことも出てきますが、販売の世界の現実を知ることができるのでぜひ読んでみてください。
(※ここではアパレルを中心とした接客販売を必要とする仕事について説明しています。コンビニ等の販売はあてはまりませんのでご了承ください)
関連記事:「営業から販売に転職したときにスムーズに仕事を始めるための3つの重要ポイント」
販売は営業より簡単…なんてことはありえない
営業はダメだったけど販売ならなんとかなるんじゃ・・・?と思っている人の希望をのっけから打ち砕くようなことを言うのですが、
販売が営業より簡単ということはありません。
営業で売れなかったけど販売ならなんとなるだろうという考えは今すぐ捨て去ったほうがいいでしょう。
なぜなら営業も販売も売ることにおいて違いはないからです。
販売とは接客業
「販売の仕事」というのは、ただ「これください」という人にモノを買ってもらう仕事ではありません。
スーパーの食品売場ならそれでもいいのかもしれませんが(実際は食品売場はめちゃめちゃ大変です)、あなたが考えている販売職はそうじゃありませんよね?
洋服とかバッグとか家具とか、何でもいいのですがおそらくある程度の接客を必要とする仕事を考えているのではないのでしょうか?
何が言いたいかというと、
接客とは読んで字のごとく「お客様に接すること」ですよね?お客様と接してなんぼ、の世界です。
営業も販売も人と接する仕事
ここであなたに聞きたいのですが、
人と接することが好きですか?
お客様と接すること好きですか?
営業がつらいというあなたはひょっとしたら人と接するのがあまり得意じゃない、お客様と話をするのが苦手だ、と感じているのではないでしょうか?
だから営業が向いてないんだ、と。
もしそうだとしたら、たとえ販売に移っても同じことを感じるようになります。
なぜなら販売は接客業だからです。人と接してなんぼ、だからです。
そして販売とは、接客をのりこえた上でモノを売ることを言うのです。
お客様の気持ちを動かすこと
ほとんどのお客様はあいまいな気持ち、漠然とした気持ちでお店にやってきます。
- なんかいいシャツないかな~
- そろそろ新しい靴がほしい
- 今までとはちょっと違うリップがないかしら?
具体的にどんなものがほしいか決まっているわけでもなければ、今日買うかどうかも気分次第、ここでなければ別の店行ってもいいし、あるいはこの前ネットで見たやつでいいかな・・・と心はあちこちにさまよっています。
そんな迷いの森にいるお客様の心を開き、今この瞬間、この場で買ってもらうように仕向けるのが販売の仕事なのです。
お客様の心を開いて買ってもらうんだ、という気持ちがなければいくら接客しようが、
「また来ます」
「検討するよ」
「考えとくわ」
で終わってしまいます。
そうではなく、まだ気持ちが定まっていないお客様の心を、自分の接客によって「買うよ」「もらっとくよ」「いただくわ」に持っていくのが販売の仕事なのです。
販売は相手の気持ちを読むことが必要
販売は相手の気持ちを読むことが必要です。
この人は今何を考えているのか、何を思っているのか、どんなことを望んでいるのか。それを知らずに販売することはできません。
だから会話をして、相手の立場になって考えるのです。そこから販売へ持っていく。
でもこれって営業でも必要なスキルですよね?販売に限ったことじゃないですよね?
営業で売れないから販売、は安易
ここで再び質問します。
- あなたは人の気持ちが読めますか?
- 人を説得することができますか?
- いろいろ説明して人を納得させることが得意ですか?
営業が苦手で悩んでいるあなたはこれらのことがあまり得意じゃないのではないでしょうか?
もしそうだとしたら、
販売でも行き詰まってしまう可能性があります。
どちらも人と接し、人の気持ちを読み、人を説得しなければならないからです。その意味において、営業も販売も同じなのです。
営業から販売に転職するのならよく考えて
営業の仕事が性格的に合っていない
やめて他の仕事をしたい
もしあなたが、営業の代わりに販売職を考えているのなら今一度よく考えてみてください。
押しの弱い人にとって販売の仕事が営業よりやりやすいかというとそんなことはありません。
あと、販売の場合は職場によっては露骨な競争状態になるところもあります。客を獲ったの獲られたのだの、という非常に面倒くさい状況ですね。
そうなるともう仕事どころじゃありません。余計なことで神経をすり減らすことになります。
ある意味、自分のペースで仕事ができる営業よりも弱肉強食の過酷な世界に身を置くことにもなりかねません。脅すつもりはありませんが。
なので営業から他の職種を探す場合はくれぐれも慎重に選んでください。
まずは販売職の現実を知った上で、自分が勤めたい職場の状況、雰囲気を調べてからにすることをおすすめします。
アパレルの求人に応募する前に知っておくべき販売職の11の現実
さいごに
営業の仕事があまりにもつらいとつい他の職種に目が向いてしまいますよね。
販売は営業と同様に、資格や経験がなくても始められる仕事のひとつです。
お客様のほうから買いに来てくれるのですから、ややもすると営業よりは簡単かなと思ってしまいますよね?
でもそれが正しくないことはお分かりいただけたことと思います。
ただ、間違えないでほしいのは、販売が営業より大変だということではなく、大変さにおいてはどちらも同じです。
営業から安易に販売に移ることを避けてもらうことが今回の記事の目的なので、このまま営業を続けるか、それとも販売にトライしてみるかはあなた次第です。
大変でもいいから販売をやってみたいと思っているなら挑戦してください。販売には販売のよさがあります。
仕事がつらい、に終止符を打ち、あなたの希望にそった新しい仕事が見つかることを願っています。
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